イップス相談室 ブログテーマ:イップスお悩み

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プレッシャーがかかる場面での投球・送球が思うようにできず悩んでいます(Nさん)

[イップスお悩み] 投稿日時:2017/05/27(土) 12:44

ご相談内容

                                      
野球のイップスに悩んでいます。
野球は小学5年生のころから大学4年までやっていました。
イップスのような症状が出たのは大学3年生のころで投手としているときに1試合に死球を4~5回出してしまったのがきっかけです。
大学2年生までは、四死球を意識することなく完投できていたのですが、その試合をきっかけに打者がバッターボックスに立つと当ててしまうイメージになり、捕手が捕れないほど大きく外れてしまうようになりました。その後、投手を辞めて野手に転校して特に送球に問題はありませんでした。
大学を卒業後は就職し、肩を痛めていたこともあり、しばらくは野球から離れていました。最近、自分で草野球チームを立ち上げ、野球を始めたのですがコントロールが非常に悪くなっていました。コントロールが悪くなった原因は、肩を痛めたままキャッチボールをしたりして、リリースポイントがわからなくなってしまったことが原因だと思います。

反復練習を繰り返しそれなりに投げられるようになってきたのですが、試合になると全く投げれなくなります。バッティング練習のときに投手をし、ストライクを投げることができるのですが、試合になると急に手首が自分のものじゃないような感覚になり、ボールを持っているかどうかもわからなくなります。投げても全くリリースの感覚がないので、どこに行くかも自分で全く想像がつきません。ストライクを投げるどころか、捕手が捕れる球を投げることすら難しいです。

練習ではできるのに試合では全くできないのでもどかしい気持ちでいっぱいです。マウンドで自分なりにリラックスしてみたり、気持ちを強く持ってみたりするのですが、効果がありませんでした。
試合になると送球が難しくなるのは、投手のときだけでなく捕手や内野をしたときもおかしくなります。捕手をしているときは、ランナーがいないときは投手に返球できるのですが、ランナーが3塁に行った途端に、投手へ返球できなくなります。ここで暴投してしまうとまずいという意識がよぎると急に投げられなくなってしまいます。

イップスだと認めずに反復練習をしていた時期もあったのですが、一向によくならないため、イップスを認めるようになりました。
インターネットで色々調べたり、本を読んだりしているのですが、良くなる気がしません。鹿児島に住んでいるため、イップスの治療を行えるような場所も見つけられず困っています。
イップス治療のヒントを少しでもいただけると幸いです。


お答え


メールをしていただきありがとうございます。内容を拝読させていただきました。試合やプレッシャーが特にかかる場面によって、投球・送球が思うようにできず悩み苦しんでいることをお察しします。
どうしたらいいのかわからないというもどかしさと、どうにかして克服したいという強い気持ちも感じます。

 Nさんは失点に繋がるような場面などで特に不安や緊張が強まっているように感じますが、イップス克服には受け容れが重要であり不可欠になります。緊迫した場面で緊張するのは他の選手でもあることだと思いますし、緊張すること自体も悪いことではないのですが、絶対にミスをしたくない、ミスをすることは許されないと思えば思うほど、ミスをしてしまうといったことが起こります。これは「努力逆転の法則」といい、「ミスをしてはいけない」と思えば思うほど、ミスをするイメージをしてしまうことをいいます。脳はイメージから体に指令を送り、イメージした通りに体は動こうとするので、結果的にミスをするといったことが起こります。
 受け容れが重要なのは、「~してはいけない」という気持ちを緩和させたり、自分自身に余裕をもたらすところにあります。ミスをしても大丈夫、ミスはあるものと心から受け容れることができれば自ずと自分に余裕が生まれてきます。Nさんが、練習ではできるのに試合になるとできなくなるのは、練習であればミスを受け容れることができるといった理由も考えられます。ミスの少ない人はいるかもしれませんが、ミスのしない完璧な人はいないと思います。プロで活躍している選手でさえミスは起こりうることですので、まずはミスを受け容れることから始めてみてはいかがでしょうか。
 受け容れができていないと、「ミスをしたらどうしよう」という気持ちでプレーをするのでミスをイメージしてしまいます。受け容れができると、「ミスをするかもしれないけど、こういうプレーをしよう」というように、ミスを受け容れたうえで自分がどうしたいのかをイメージすることができます。イップス克服に受け容れが不可欠なのはそういった理由があります。

投手については、大学3年生の試合をきっかけに、投手をやる上での目的が「相手打者を抑えること」から「相手打者に四死球を出さないこと」に変わってしまったように感じます。また、ゲームを楽しむことよりもゲームを成立させることに意識が向いているようにも感じます。勝敗や結果にこだわりすぎず、野球を楽しむことに意識を向けるのもよいかもしれません。 `

Nさんの詳しい内容は把握できていませんのであくまで憶測ではありますが、当所では1時間無料の初回相談やイップスの技術指導も行っております。また、当イップス研究所の支店を福岡に新設する予定です。お問い合わせ・質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。
 
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