イップス相談室 2012/6

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高校生の息子が内野手ですが、イップスで悩んでいます(明子さん)

 written by イップス先生 [イップスお悩み] 投稿日時:2012/06/23(土) 18:00

ご相談内容

息子が現在、高校で野球をやっています。現在1年生で内野手ですが、8月あたりから送球が出来なくなったようです。投げても5mくらいでバウンドしてしまったり…今もつつ”いているようで、どうしたらよいものかと悩んでいます。中学でも送球が安定せず、送球エラーをすることが多かったのですが、高校では、それではもちろん怒鳴られるし、ベンチからもはずされてしまいます。私はそれで萎縮してしまったのではと思いましたが、どうか分かりません。肩や肘が痛いわけではなく、本人もイップスではと思っているようです。寮に入っているので、帰宅は出来ません。月に一回か二回、日曜日に帰って来るときがありますが不定期です。どうしたらよいでしょうか?私は何と声をかけてやればよいのでしょうか?どうかよろしくお願いいたします。

お答え

“明子”さん、はじめまして。
疑問質問のメールを頂き、有難う御座います。そして、返信が遅くなってしまった事、大変申し訳ありません。
 
さて、早速、頂いたメールの内容に触れていきたいと思います。
息子さんは1年生という事で、多感な時期でもあり、中学野球から高校野球に入って、始めての寮生活、野球環境・生活環境の変化への戸惑いなども勿論のこと、期待や不安といった様々な想いを抱えて頑張っていいらっしゃるのではないかと思われます。
今までに体験した事のない事が自分の身に起き、辛く感じることも多く、息子さんは意識的にもご本人の意識できていない無意識の部分も、いっぱいいっぱいになってしまっているのかもしれませんね。無理もないことかと思われます。
そして、好きな野球が思うようにプレーできない状態は本当に辛いものだと思われます。
 
また、寮生活となったことで、なかなか思うように息子さんとお話できなかったり、様子がわからず、お母様である明子さんが心配され、不安になられているお気持ちも伝わってまいりました。
 
詳しくお聞きしてみないと判断することは出来かねますが、明子さんの感じているように送球エラーを怒鳴られたり、ベンチを外されるという恐怖感が、きっかけのひとつになったのかもしれませんね。また、息子さんはとても責任感や向上心の高いお子様なのではないでしょうか?イップスの症状は、~しなければならない。~するべき。などの観念(思い)により、心から言いたい事、したい事、などを知らず知らずのうちに抑圧することが習慣となり、タイミングやきっかけにより、バランスを崩して表れてくる症状でもあります。
 
例をあげると、監督・先輩に言いたい事があっても言うべきでないから言わない(本当は言いたいというキモチを抑え込む)、嫌な事があっても感じたものを自分の中で無理やり押し殺してしまうなど、頭で考えていることと、心で感じている事に大きなギャップが生じて、頭(思考)と心のバランスが崩れてしまうと考えられます。
したがって、無意識の我慢により、身体が緊張状態となり、筋肉や細胞が硬直し、投球・送球時に身体が縮こまったり、肘が出てこなくなったりして体のバランスも崩れてしまうため、投げられなくなってしまうことが多いようです。
 
また、詳しく伺ってみないと判断しかねますが、中学生の時から少し症状があったようなので、もしかしたら、ご家族のためにメンバーに入って認められたい、家族に迷惑かけられない。という思いも強かったのかもしれません。
そして自分に厳し過ぎて、自分を認めてあげられない、投げれない今の自分をどうしても受け容れられない、というような心の葛藤でこのような症状として表れているのかも知れませんね。
しかしながら、このような一種の『壁』は乗り越えられる者にしか与えられません。
また、この症状と共に、ありのままのご自身を受け容れ、乗り越えていくことが、自分自身を知り、心の成長に繋がることでもあり、野球についてもステップアップされていくものではないでしょうか。
 
お母さんが息子さんの辛い姿を見るというのは大変苦しいものです。今はただ野球を楽しくやっている姿を見るだけで嬉しい。かわれるものならかわってあげたいと切実な思いで心配されることも、親として当然のことかと思われます。
ピンチはチャンスと言われますが、息子さんにとって、意味があることと同時に、もしかしたら、お母さんである明子さんにとってもなにか変化や気づきのチャンスかもしれません。それが“今”というタイミングなのかもしれません。
息子さんは今、夢(目的)があるから毎日、何を言われようが辛抱して、頑張っている事と思います。
何と声をかけていいのか?というご質問についてですが、どうしたらいいのかわからないという明子さんのお気持ちもよくわかります。
頑張っている子に『頑張れ』という言葉は時として逆効果な言葉になる時もあります。
頑張っているのに、これ以上何を頑張ればいいのかとますます追い詰め混乱させてしまうのではないかと不安になり、声をかけにくくなってしまったのかもしれませんね。
また、あまりにご家族が心配し不安になられていることをご本人が感じると、今のままではいけないのではないか?何とかしなければいけない。など、なかなか自信をもてなかったり、更に焦りに繋がってしまいかねません。
場合によっては、無理に言葉を掛けず、息子さんを信じて見守ってあげることも必要なのかもしれません。また、息子さんにとって、聞いてほしいと思う時に話を聞いてもらえるお母さんがいらっしゃったら、それだけでも充分心強いのではないでしょうか。
そして、明子さんが感じたまま、息子さんに言ってあげたい言葉があったときに自然に掛けてあげることが大切ではないかと感じます。
お話できることで、思いを吐き出せる効果もあり、時と場合によりますが、『毎日辛いのによく頑張っているね』・『野球が好きなんだね』など、今の息子さんのありのままを認めてあげる言葉が、励ましとなり何らかを息子さんは自分で感じることに繋がっていくのではないかと思われます。
 
何より、息子さんご自身が、心にゆとりと余裕をもてるような何らかの方法が必要なのかもしれません。
そして、頭(思考)・心・体が楽になることで、本来の動きを取りもどし変化を感じることも可能になってまいります。
 
とはいえ、いっぱいいっぱいの状態でゆとりを取り戻すというのは、なかなか難しかったり、明子さんご自身も、不安でいっぱいの状態では、見守る余裕や、離れている息子さんから何を感じてどう言ってあげたいのか?などわからないということも考えられます。
お母さんである明子さんが、相談をされている方はいらっしゃいますか?
わからないことをお一人で解決しようと、頭の中で考えていても良い方法はみつかりにくくますます混乱しかねません。周りに相談できる環境がないような場合は、私共のような機関を利用してご相談いただければ何らかの力になれるかと思います。
 
当所では、小学生~プロ野球選手まで幅広く、来所され一緒に気付き、克服し、また活躍の場へと戻っていき、私達に活躍を見せてくれています。
もちろん、ご家族がご相談にみえるケースも多々あります。
初回無料相談も承っていますので、ご興味がおありでしたら、ご予約の上、当所までお越しください。お待ちしております。

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