- トップ
- イップス研究所ブログ
イップス研究所ブログ
<<前へ | 次へ>> |
治ってからもまた壊すのではないかと不安(こうすけさん)[イップス相談室]
投稿日時:2011/02/01(火) 00:18
ご相談内容
こんにちは。僕は今大学2年で野球をしています。
高校1年の時に肘を壊してしまい、1年間ボールを投げていませんでした。
治ってからもまた壊すのではないかと不安で思いっきり投げることはできませんでした。
しかし高2の夏の大会でレギュラーとなり試合に出場したのですが、暴投してしまい勝ったのですが、とても投げることが自分の中で特別なことになってしまいました。
ポジションはキャッチャーなのですが、今は送球どころか投手への返球、キャッチボールも満足に行うことができません。
今は壊した肘も完治していて、壊すかも・・・という不安はありません。
何か効果的な練習方法などありましたら教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
お答え
“こうすけ”さん、こんにちは。疑問・質問へのお問い合わせありがとうございます。また、克服体験談など、いろいろなページを見ていただき有難うございます。いろいろと悩み、解決方法を探し努力されていることとお察しいたします。ご返信が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
高校1年生の時に肘を壊してしまい、思うように野球が出来ない日々。治ってからも再発の不安と戦いながらの日々。そして完治してもののスローイングがご自身の中で特別なものになってしまっている現状。どれも非常に辛い状態だったのではないかと思います。
指導者を目指しているということもお書きいただいておりましたが、現状を乗り越えることで、きっと良き指導者になれるのではないかと思います。今の状況をしっかりと理解し、乗り越えられることが出来れば、スローイングの改善だけでなく、今後のプレー全般、そして“こうすけ”さんご自身の今後の人生においても、非常に大きな糧となるのではないでしょうか。是非ともこの状況を乗り越えていただけることを願います。
ご質問の中で、『克服体験談を見ていると「目の使い方」ということを書かれている方がいました。具体的にはどのようなことなのか教えていただきたいです。』とお書きいただいておりましたので、お伝えできる範囲で少しお伝えさせていただきます。
スローイングは回転運動です。腕や、足、腰など、それぞれが別々に動くのではなく、身体全体をひとつのものと捉えて投げるのが自然なスローイングです。その調整をするために当所では「目の使い方」を用いたトレーニングをしています。トレーニング内容については、それぞれの方の投球フォームや、投球スキルにもよりますので、一概に言葉で説明させていただくのは、誤った伝わり方をしてしまう恐れもあるため、ここでは控えさせてください。
なお、ポジションがキャッチャーとの事ですが、当所にはキャッチャーの方もよくお越しになられます。キャッチャーの場合、ピッチャーへの返球にしても、真正面を向いた状態から送球の動作に入るので、体が開いた状態からのスローイング(手投げ)になりやすい傾向があります。まずは、この点を意識しておいていただくことで、改善が見えてきたときに、元に戻ってしまわないようにできるのではないでしょうか。
以上、スローングの技術的な改善について少し書かせていただきましたが、加えて、“こうすけ”さんの中で「投げることが自分の中で特別なこと」という捉え方を変えてあげることで、スローイングが改善されてくるということもあります。
もちろん、上手く投げられるようになれば「特別なこと」ではなくなります。しかし、「特別なこと」と意識しての練習では、なかなか改善が望めなかったりもします。
なぜなら、「特別なこと」と意識すると、どうしてもボールを投げる際に「不安」がつきまとい、頭(思考)がいっぱいいっぱいになり、身体が緊張状態になってしまうからです。そして、「特別なこと」なので、自分では改善できないと思ってしまいます。
この状態では、どうしても人からのアドバイスを元に頭(思考)をつかって投げる。=「自然じゃない投げ方」。になってしまいます。
今回、2通にわたり相談フォームにご連絡をいただいたことからも、毎日毎日「どうすれば上手く投げれるのか?」について凄く悩んでいらっしゃるのではないかと感じました。
とはいえ、スローイング自体は自分自身でしか変えられません。自分で気付き、自分の身体で感じ、自分で改善していくものです。当所でも、いろいろなアドバイスはさせていただきますが、基本的には“こうすけ”さんご自身が、スローイングとどう向き合うかです。
向き合うとは、“こうすけ”さんご自身の頭(思考)で考えた体の使い方が、“こうすけ”さんの身体に違和感なく応用できるかを常に考えることです。頭(思考)ではこんな投げ方がしたいと思っていても、それに身体が正確に反応するかは別ですし、もしかしたら身体に合わないかもしれません。そこを理解し、思考と身体の差を上手に埋めていくのが、本当の練習です。
周囲の人からのアドバイスにしても同じです。自分自身がそれをどのように受け止め、どう理解し、どう取り入れていくかがもっとも大切なことです。
まずは、考える余裕、自分と向き合う余裕をもってください。そして、改善方法を聞くだけにとどまらず、自分でどうすれば良いかを、もっともっと考えてみてください。
そのためにも、できれば投げることだけにあまり神経質にならず、それ以外の練習や、遊び感覚の野球、更には野球以外の趣味にも少し時間を割いてみてあげてください。そして、頭(思考)がいっぱいいっぱいの状態を緩めてあげてください。頭(思考)がリラックスできると、身体の緊張が緩み、投げることに対しての新しい身体の使い方や忘れてしまっていた野球との関わり方に気付き、それがスローイングに大いに繋がってくることも十分に有り得ます。
当所にお越しいただくことがありましたら、その点に関してもいろいろとアドバイスさせていただければと思います。
<<前へ | 次へ>> |
ブログ最新記事
- テレビ山口 (03/20 18:43)
- 取材 (03/18 18:45)
- 長門高校野球部 (03/14 18:46)
- 長門高校野球部 (03/04 18:47)
- ホークス (02/15 17:46)
- 講演終了 (02/07 17:51)
- 講演 (02/06 17:49)
- 合同自主トレ (01/29 21:24)
- 自主トレ8日目 (01/16 01:12)
- 自主トレ7日目 (01/15 01:10)
- 自主トレ6日目 (01/14 01:07)
- 自主トレ5日目 (01/13 19:06)
- 自主トレ4日目 (01/12 13:04)
- トレーニング (01/08 00:03)
- 謹賀新年 (01/01 15:32)
- 日本イップス協会 (11/28 20:57)
- 千葉ロッテ (10/20 19:23)
- 昨日まで (08/24 18:28)
- 神戸から (08/04 20:47)
- 日本イップス協会認定トレーナー講習会 (07/25 20:32)
アーカイブ
- 2025年3月(4)
- 2025年2月(3)
- 2025年1月(8)
- 2024年11月(1)
- 2024年10月(1)
- 2024年8月(2)
- 2024年7月(1)
- 2024年4月(1)
- 2024年3月(7)
- 2024年2月(10)
- 2024年1月(8)
- 2023年12月(2)
- 2023年11月(6)
- 2023年10月(6)
- 2023年9月(7)
- 2023年8月(5)
- 2023年7月(2)
- 2023年6月(2)
- 2023年5月(3)
- 2023年3月(3)
- 2023年2月(2)
- 2023年1月(4)
- 2022年12月(1)
- 2022年11月(2)
- 2022年9月(2)
- 2022年8月(1)
- 2022年7月(2)
- 2022年6月(3)
- 2022年5月(6)
- 2022年4月(2)
- 2022年2月(6)
- 2022年1月(1)
- 2021年12月(2)
- 2021年11月(6)
- 2021年10月(3)
- 2021年9月(1)
- 2021年8月(3)
- 2021年7月(4)
- 2021年6月(5)
- 2021年5月(7)
- 2021年4月(10)
- 2021年3月(8)
- 2021年2月(3)
- 2021年1月(4)
- 2020年12月(6)
- 2020年11月(3)
- 2020年10月(9)
- 2020年9月(11)
- 2020年8月(3)
- 2020年7月(4)
- 2020年6月(1)
- 2020年5月(2)
- 2020年4月(2)
- 2020年3月(10)
- 2020年2月(17)
- 2020年1月(10)
- 2019年12月(9)
- 2019年11月(4)
- 2019年10月(7)
- 2019年9月(5)
- 2019年8月(4)
- 2019年7月(14)
- 2019年6月(5)
- 2019年5月(13)
- 2019年4月(13)
- 2019年3月(17)
- 2019年2月(10)
- 2019年1月(11)
- 2018年12月(7)
- 2018年11月(12)
- 2018年10月(12)
- 2018年9月(10)
- 2018年8月(16)
- 2018年7月(9)
- 2018年6月(22)
- 2018年5月(29)
- 2018年4月(10)
- 2018年3月(14)
- 2018年2月(11)
- 2018年1月(4)
- 2017年12月(7)
- 2017年11月(9)
- 2017年10月(6)
- 2017年9月(8)
- 2017年8月(9)
- 2017年7月(18)
- 2017年6月(8)
- 2017年5月(13)
- 2017年4月(10)
- 2017年3月(9)
- 2017年2月(19)
- 2017年1月(12)
- 2016年12月(10)
- 2016年11月(14)
- 2016年10月(7)
- 2016年9月(13)
- 2016年8月(15)
- 2016年7月(19)
- 2016年6月(10)
- 2016年5月(5)
- 2016年4月(14)
- 2016年3月(12)
- 2016年2月(16)
- 2016年1月(10)
- 2015年12月(9)
- 2015年11月(11)
- 2015年10月(11)
- 2015年9月(6)
- 2015年8月(5)
- 2015年7月(10)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(6)
- 2015年4月(6)
- 2015年3月(8)
- 2015年2月(12)
- 2015年1月(7)
- 2014年12月(8)
- 2014年11月(11)
- 2014年10月(14)
- 2014年9月(12)
- 2014年8月(11)
- 2014年7月(20)
- 2014年6月(20)
- 2014年5月(15)
- 2014年4月(12)
- 2014年3月(9)
- 2014年2月(11)
- 2014年1月(18)
- 2013年12月(12)
- 2013年11月(11)
- 2013年10月(9)
- 2013年9月(13)
- 2013年8月(18)
- 2013年7月(14)
- 2013年6月(9)
- 2013年5月(14)
- 2013年4月(11)
- 2013年3月(11)
- 2013年2月(3)
- 2013年1月(4)
- 2012年12月(3)
- 2012年11月(6)
- 2012年10月(3)
- 2012年9月(9)
- 2012年8月(6)
- 2012年7月(12)
- 2012年6月(12)
- 2012年5月(8)
- 2012年4月(6)
- 2012年3月(8)
- 2012年2月(13)
- 2012年1月(8)
- 2011年12月(11)
- 2011年11月(7)
- 2011年10月(9)
- 2011年9月(11)
- 2011年8月(10)
- 2011年7月(12)
- 2011年6月(18)
- 2011年5月(19)
- 2011年4月(16)
- 2011年3月(10)
- 2011年2月(9)
- 2011年1月(16)
- 2010年12月(20)
- 2010年11月(17)
- 2010年10月(11)
- 2010年9月(3)
- 2010年8月(6)
- 2010年7月(1)
- 2010年6月(2)
- 2009年8月(4)
- 2009年7月(3)
- 2009年5月(1)
- 2009年2月(2)